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Final Stage 第3章:困難な日々

Author: 相沢蒼依
last update Petsa ng paglalathala: 2025-11-24 09:29:15

竜馬くんとの接触を控えるべく、まずはバイトのシフトの時間を変更しようと大学の授業が終わってから、コンビニに真っ直ぐ向かった。

従業員入り口から事務所に入ると、店長がパソコンの前で仕入れ状況の確認をしているところで、その背中に大きな声をかけた。

「お疲れ様です!」

「お疲れー。あれ、今日シフト入ってたっけ?」

キーボードの手を止めて小首を傾げながら、俺の顔をわざわざ見つめる。

「いえ……。あのその件で、ご相談したいことがありまして」

店長がシフトという言葉を口にしてくれたお蔭で、すんなりと話ができそうだ。

「紺野くんが深刻な顔して相談なんて、何だかドキドキするな。そういえば、スーパーのバイトを始めたそうだね。掛け持ちがキツくなってきたとか?」

傍に置いてあったパイプ椅子を目の前に用意し、座るように促されたので遠慮なく腰掛けて、背筋を伸ばしながら姿勢を正した。

「スーパーは週末だけにしているので、全く問題ないんですけど……」

参ったな、竜馬くんとのシフトをズラす理由を考えてなかった――勢いだけで、ここに来てしまったから。

「えっとですね大学の単位がですね、ちょっとだけヤバいの
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